実行委員長黒川弘章
大阪メチャハピー祭実行委員長
黒川弘章(くろかわひろあき)

 今から約20年前、大阪は青少年の非行が日本一、ワースト1でした。その状況を見て「何とかしないといけない」と活動はスタートしました。そんな折、札幌のYOSAKOIソーラン祭りに参加した理事長欠野アズ紗が、稚内市立稚内南中学校の踊る「南中ソーラン」に出会います。1980年代「日本一荒れている」と報道され、「学び座」という映画にもなった学校でした。その魂の踊りには、見ている誰もが涙するくらいに感動しました。これほど人を感動させる踊りがあるのなら、ぜひ大阪の子ども達にもこの踊りを、と大阪メチャハピー祭は立ち上がりました。

祭り立ち上げ当初の踊り子隊
2000年7月、理事長欠野アズ紗を中心に  ©大阪メチャハピー祭

 私たちは祭りの開催と同時進行で、多くの学校園の授業に訪問し、踊りを指導するという活動も精力的に行っています。2003年ごろからはこの活動が爆発的に広がり、多いときには1日3~4校ほどの学校に伺い、朝から晩までスタッフ総出で指導にあたっていたことを思い出します。私だけでもこれまでに3万人を超える子ども達に踊りを指導するくらいに輪が広がりました。そして学校だけでなく、少年院や、当時社会問題となっていた広島の暴走族、大阪で一番荒れていると言われた中学校や高校にも実際に指導に伺いました。

子ども達への出張授業風景
学校園での演舞指導 ©大阪メチャハピー祭

 「踊りを通した青少年健全育成」って、結局どういうことなん?分かりやすく教えてよ、とよく言われます。そんな時私たちは2つのキーワードで説明をさせて頂きます。それは「感動」と「社会性」です。

 感動とは、大阪城ホールなどの多くの観客の前で踊る感動です。踊る前には心臓が飛び出るくらいに緊張し、踊った後には仲間と抱き合って喜ぶ。この感動体験は子ども達にとって一生の宝物になります。

メチャハピー祭で踊る子ども達
子ども達の感動は、一生の宝物 ©大阪メチャハピー祭

 そして社会性ですが、この踊り、群舞は、一人だけ上手な人がいても良くは見えません。踊っているみんなが心や振りを合わせ、できる子とできない子はお互いに教え合います。そして本番だけでなく、練習で指導してくれる先生や、衣装を作ってくれる保護者への感謝の気持ちを持ち、自分が今こうして踊っていられることは、周りのみんなの協力があるからだと感じます。「個人」と「集団」との関係性を体感します。これを私たちは「社会性」と呼んでいますが、この社会性を体感することは、子ども達が大人になっていくにつれて必ず必要となってくるものだと感じています。

円陣を組んで気合を入れる子ども達
一つのものをみんなで創り上げる ©大阪メチャハピー祭

 活動を始めて20年が経ちました。当初は「踊りで青少年の健全育成なんてできない」「祭りに理念なんか要らない、楽しかったらええやないか」とたくさん言われ続けました。しかしただ楽しいだけの祭りならほかにもありますので、私たちは信念をもってここまで活動を続けて参りました。

 それまでほとんど踊られていなかった南中ソーランなどの踊りも、今となっては、大阪じゅうの小学校や中学校で当たり前のように踊られるようになり、高校生の中で一番人気のクラブ活動はダンス部だという調査まで出て参りました。そして何よりも、このグラフにあるように青少年の非行が、20年前を100としたら、2018年にはなんと19.8%にまで激減しました。これは、私たちが何かをしたから、というのではなく、社会全体が「子ども達を何とかしないと」と意識が変わったからこうなったんだと感じています。

少年非行の推移グラフ
少年非行の推移グラフ ©大阪メチャハピー祭

ぜひ、私たちの活動の一端をご一読ください。